metukiwaruiko’s blog

まだ内緒の話

時が止まる中での話

時が止まる、と言うのはあくまでも比喩であって、寧ろ現実は残酷なくらいあっという間に時が過ぎていく。今の私はこれ以上荷物が届かないまま、時に進まれてしまうと非常に困る立場にあるのだが。

 

恋人との、子どもができた。

お腹の中に、まだ居る。

 

実感は嫌という程あるのだけど(主に悪阻の症状で)、これだけ辛い思いをさせられると果たして愛せるのかと言われれば、もしこのまま産めるのであればその苦痛も愛おしいと思えたのだろうけど、今回はさよならが決定している分、早く終わって欲しいとも思う。

ただ、今までとは決定的に違うのは、それでも多分私は終わった日は一日泣くのではないだろうかと思うくらいには、まだお腹に居る我が子を愛おしく思えている事だ。

 

 

 

最近は仕事も休業中で、ずっと恋人の家に居る。もう根っこでも生えているのではないかというくらいには、ずっとずっと家に居る。外に出ていない、ひすら布団に横になっている。このままでは体が腐ってしまう、が、ウーバーイーツをしようにも多分今の状態で自転車になんて乗ったら顔面から転げ落ちそうだ。

 

吐き気が酷い。目眩と貧血、全身の力が微塵も入らない。何か食べれば吐いてしまうし、眠れば中途半端に覚醒してしまう。その瞬間、口の中に有り得ない量の唾液が勝手に分泌されて、これがまた気持ち悪い。よだれづわり、と言うらしい。

 

それでも、恋人の仕事もリモートワークになってる今、恋人もほとんど家に居るので、何をしなくてもただ一緒に居られるのが嬉しい。一緒に映画をみたり、テレビを観たり、動画を流したり、寝たり。

 

だらだらとしているだけの時間が、たまらなく愛おしい。

自炊もたまにするのだけど、大抵のものは美味しいと食べてくれる。

作りがいがあるし、嬉しい。

 

恋人と一緒に居る時は幸せだ。ただ、妊娠期間中の情緒不安定に付き合わせてしまうのが申し訳ない。自分でもホルモンバランスがおかしくなっている事や、荷物が届かないこと、働けないから日銭を稼ぐこともできない、それらの色んな焦りがそう言った焦燥感を煽っているのだとは分かってはいるものの、自分でそれを止めてやることができない。

 

恋人は、それでも私の背中や頭を辛抱強く撫でてくれる。きっと、子供が産まれていたら、優しいお父さんになったのだろうな、と思う。

 

もし、また次妊娠することがあったら、その父親はどうか恋人であってほしい。

あの人なら、良い父親になれると思う、

 

私は、良い母親になれるだろうか?

私の母親みたいになったりしないだろうか。

心も体も強くない、育児にちゃんと向き合って、子どもに向き合って、辛抱強く愛を持って育てられるのだろうか。

 

分からないけど、もし子どもを育てる事がこの先あったら、絶対に自分の命を犠牲にしてでも子供を優先できるような親でありたい。

 

どんな事があっても、見捨てないような、子どもにとっての絶対であれるように、そんな親でありたい。

 

もし、産まれてきたら、恋人はどんな風に接するのだろうか。

 

 

現状、まだ素直に喜べる立場ではないけど、それでも出来た事自体に喜んでくれた恋人に感謝する。

 

次は産んであげられたらいいな。

 

ごめんね、